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津金の青い空（その3）

la montagne 2008　BEAU PAYSAGE

　岡本さんのフラッグシップ。メルロー100％。2008年に新醸造施設が完成して最初のヴィンテージとなりました。またこの年より畑での化学合成農薬の使用もやめました。

　穏やかで深みがあり、中心から縁に向かって色調のグラデーションがゆるやかです。
このトーンの出方はLIBに移行してからの外観の特徴であると思います。
　採れたての根菜の発する土の香り。野イチゴの様な野趣、ラズベリーのジャム、樽香と果実香が溶け合ってほんのりミルクキャラメルやカカオの様なこうばしさ。鮮烈でスパイシーな木の芽を思わせるグリーントーン(比較的良くブドウが熟した年によく出会う気がします。)が一瞬姿を見せます。
　秋の好天の影響からか良く熟した果実味があふれています。ヴォリュームに富んでいますが今はまだ閉じています。後半はやさしく旨味のある酸が全体を包み込むように広がります。あくまでもエレガントで緻密なエキスが沁みわたっていきます。戻り香が潮が満ちるようにあふれてきて、いつまでも口中や鼻腔の粘膜にまとわりついて離れません。この余韻というには存在感がありすぎるアフターテイストこそが岡本さんの真骨頂かもしれません。
　例年春のリリース後、夏を過ぎるとぐっと落ち着きを増して味のバランスがとれて、複雑なテクスチャーが出てきますが、2008年はもうしばし寝かせてあげた方が良さそうです。春に感じたやんちゃさは影を潜めてますが、ややクローズ気味です。十分な旨味で飲めてしまうのですが。

(2010-09-25 18:46:18)

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津金の青い空（その２）

『その年の個性を表現することこそがワインにとって最も重要なことと言っていながら実際に困難な年に遭遇するととても複雑な心境になりました。今の自分には心の底から自然のすべてに感謝して謙虚にそのすべてを受け入れることはできませんでした。』

『人為的な意図や介入は年々最小限になっていき、ワインの中に「2005年の津金のぶどうの味わい」をよりストレートに感じていただけると思います。』

『自然をありのままに受け入れること』
『自然をそのままに飲み手に伝えること』

『ぜひ2008年の津金を味わってみてください』

『ワインの味は土地そのもの。味は土地が造る』

印象に残っている岡本さんの言葉を取り上げてみました。

津金のぶどうの味。

津金の味。

土地の味。

(2010-09-24 18:37:10)

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津金の青い空（その１）

津金の空は高く、気分が晴れやかになります。
鮮烈な青色です。

風が吹き抜けていきます。目に見えるようです。

鳥や虫が鳴いています。
樹々のさざめきが聞こえます。

ときおり響く鳥除けの発砲音に不意を突かれます。

遠くのあぜ道を農家の軽トラックが進んでゆきます。

葉っぱや草の青さが鼻腔を抜けます。

土の香りに包まれます。

見渡せば視界は広く、遠くに八ヶ岳を望みます。

空気が澄んでいます。

(2010-09-23 18:39:49)

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